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真実のお互い

ヤマボウシもひっそ

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ヤマボウシもひっそ


いつもの、173センチの視界ではなく、
たまには33センチほどの、膝下の視界に下りてみる。
いまはそこも、花ざかりの国だった抑鬱症

名も知らぬ小さな花、花、花。
均整のとれた6枚の花びら。
拡大することができれば、ユリの花にも負けないかもしれない。
などと、ぼんやり見つめていたら、
「何してはりますの?」と、通りがかりの人。
「いえ、ただ花を見てるんです」と応えたが、なんだか恥ずかしい。
長い時間そこでねばっていたので、もっと良いものがあるとでも思われたかもしれない。すると、
「その花、ニワゼキショウっていうんですよ」と、
花の名前を教えてくれた。

「ニワゼキショウ?」
こんな見過ごしてしまいそうな小さな花に、誰がそんな立派な名前を付けたんだろう貸款服務
よく見ると、あたり一面に同じ花の顔があった。これだけ群生していたら、名前が付いてても不思議ではない存在感だった。
ぼくが知らないだけで、どんな雑草でも名前はあるのだった。そして、名前を知ることによって、あらためて花も草も存在しはじめるようだった。
その時ぼくの国では、ニワゼキショウの花がやっと咲きはじめたところだった。

花の名前をひとつ覚えて、いつもの視界にもどると、スイカズラの白い花が甘い香りを放っている。
高い木のてっぺんでは、ニセアカシアの花がにぎやかに咲き、ヤマボウシもひっそりと咲いている萬綺雯美腿
ヤマブキの花はほとんど散って、地面を黄色く染めている。
普段は花にそれほど関心があるわけではないが、きょうは、花ばかり気になる日だった。
寺山修司の『ユリの悪』という詩の、不思議な国のことが頭に残っていたからだろうか。
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