年が明け、正月気分も抜けやらぬ頃です。
その日も普通に就寝しました。
真っ暗な寝床の中、足の所がモゾモゾしてきます。
そのモゾモゾが、パジャマの隙間から脚をつたいながら上がって来る感触が判りました。
首筋にも何かモゾモゾするのを感じます。
「やばいっ!。」
「カマキリがふ化したのかもしれない。」
思わず起き上がった私は、電気(照明)をつけました。
感は的中です
脫毛 大腿。
卵から孵る(かえる)のは、早くても春先、三月ぐらいかなと思っていました。
だから、卵の事は気にもせず、すっかり忘れていたのです。
部屋の中はストーブで暖かく、卵のふ化を早めたのでした。
布団の上から畳まで、まるで人類の大移動のようにカマキリの大群が、同じ方向へ向かっています。
優に二、三百匹はいたでしょうか
辦公室文具。
この大群が私の体の上を這いずり回っていたのでした。
机の引き出しを開けるとウジャウジャいます。
茶褐色の子カマキリは可愛くもありましたが、背筋がぞくぞくする感じも起こりました。
「まずい、皆の所まで行ってしまう。」
私は一晩中、子カマキリと格闘をすることになります。
翌朝、今起きた振りをして食卓につきました。
「いやぁ~、夜中にカマキリの大群が部屋に入ってきて大変だったよ。」
父親のその言葉にびっくりです。
隣の部屋まで侵入していたのでした。
原因が私だって、ばれた!・・・のか?。
「家のどこかに巣を作っていて、家の中が暖かいから勘違いしてふ化しちゃったんだろう。」
その問いに「ふ~ん
corporate apartment。」
いつも雄弁な私は、その朝に限って無口だったのです。