幼稚園のころ、学芸会でわたしちゃんはほんの10人ばかしの「かもめの水兵さん」に選ばれたのだけれど、その他の子どもたちがみんな「アイスクリームの歌*2」に合わせて、かわいらしいふりふりの衣装を着てお遊戯の練習をしているのが、とてもとてもうらやましかった。
いまなら、水兵さんの衣装の方がずっとすてきだなって思えるんだけれど。
選ばれたアイスクリーム王子
葵涌通渠と王女は2人ずついて、あゝいいないいな、ほかの子たちとは格が違う、あんな特別なロングドレス、わたしだって着てみたかったのにと思っていた。
結局、幼稚園児だったわたしちゃんは学芸会当日に高熱を出して、せっかくの舞台に立つことができず、お友だちたちのふりふりも見られずに終わってしまった。
数年前まで、かもめの水兵さんの衣装であった水兵帽が残っていて、わたしちゃんは高熱出して学芸会に出られなかったことなどまるで覚えていなかったのだけれど、押入れを開けたときなどに、母からあんたったら熱出して結局出られなかったのよと聞かされたのだった。
なぜか、わたしのなかには学芸会の
corporate apartmentイメージができあがっていて、それは母から何度となく熱で休んだ話を聞かされたせいなのか、ほんとうは「アイスクリームの歌」の方に出たかったのにって気持ちが鮮明な記憶までつくりあげてしまったのかもしれない。
そんな思い出ばなし。